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「ScienZOO BAR アフリカ熱帯林 コンゴの今後!! Part2」が開催されました。


コンゴ

「ScienZOO BAR アフリカ熱帯林 コンゴの今後!! Part2」が開催されました。

約一年半ぶりの開催になりますが、コンゴ共和国やガボン共和国などのアフリカ中央熱帯林地域にて、野生生物の研究調査などに従事されている西原智昭様を講師にお招きし、90分に渡りアフリカの現状などをおきかせいただきました。


とてもやわらかく穏やかな語り口の西原さん。
もともとは環境保全等への興味は大きくなかったそうです。幼少の頃は宇宙が大好きで、もし宇宙人に会ったら地球人のことをどう見ているのかなぁ?とか考えていたそうです、また宇宙飛行士になるのが夢だったそうです。
そんな西原さんが、大学に入り人類学と出会い骨の研究をし、その地味な研究に嫌気がさしていたときに、アフリカで類人猿の研究をするチャンスがめぐってきて、そこから現在に至っているそうです。そんな西原さんのお話しは、懐が深くて、視野も広く、1本筋が通っていました。

コンゴ
前回司会進行をして頂いた元旭山動物園飼育員の奥山さんにもお越し頂き、冒頭ご挨拶をいただきました。

REPORTは本題に、、
西原さんから見た現在のコンゴの問題は、1野生生物、2先住民、3森林、この3つのカテゴリーに分かれるそうです。

1、野生生物とは動物だけではなく、植物、昆虫、人間など全ての生き物のこと。象牙を確保するための密猟を例にとり、マルミミゾウの生息数の減少が著しいのですが、マルミミゾウだけを見つめるのではなく、そこから森を繋いでいく役割を担っているマルミミゾウが減少すると森もなくなってしまう。
そこまで理解している人が少ないのが現状で、もう少し正確な情報を世界でも特に日本でも公開してほしいと訴えていらっしゃいました。この場ではお見せできないような悲惨な映像などもお見せいただきました。
コンゴ

2、先住民の問題。恐らく皆さんご存知のアイヌ民族は日本の先住民ですが、今そのアイヌ文化がなくなりかけています。実はコンゴでも同じような事が起きているそうです。
先住民の若い世代に貨幣経済が浸透し始め、近代教育が進んでしまい、本来の自然の中の生活や知識・技術・伝統・文化などが失われてきているそうです。アフリカの保全研究をしている西原さんが、お一人で熱帯林を歩くことは不可能で、地元の森の事を知り尽くしている先住民のガイドさんの案内があるおかげで成り立っているところが大きく、今後研究活動などが進みづらくなる事が予測されるそうです。

3、森林問題に関しても、人間の都合で木や森を伐採してきてしまった。しかし、コンゴ共和国の人々はそれを販売した外貨で生計を立てている。森林伐採はダメだからすぐやめなさい、と言うわけにも行かなくなってしまっている。
これらの問題は、動物はかわいい、森がかわいそう、だけでは済まされない。と、西原さんは訴えます。
象牙の文化はとても素晴らしいもの。しかし、その象牙を使用している人々が今のマルミミゾウの現状を知っていたならどうなのでしょうか?象牙が素晴らしい事は誰でも知っているはずです。でもまさかそのおかげでたくさんの象が死んでいるのを知ったら?本来そういった情報は、文化や国、地域の壁を越えて正確に伝わらなければならいのです。象の危機的状況を知った人はそのまま無関心で象牙を使い続けるでしょうか?そうではないと思います。例えば象牙に変わる素晴らしいモノを開発する等、人間はそれを解決する能力を持っているはずだ。西原さんの思いは続きます。

野生生物に関しても、動物ばかりクローズアップされ、自然環境のサイクルに含まれているすべての生物(人間も含む)全体を見るようにしなければ偏った考え方が正当化されてしまいます。また森林の問題は世界的に保全活動を行っているが、厳しい保全活動の中で人間も森の資源を使用していこうと言う制度があります。例えばその一つにFS認証制度。しかし、厳しい保全活動にはどうしてもコストがかかり、FS認証制度をクリアしている商品はどうしても、値が上がってしまい需要が少なくなってしまう。しかし、一人でも多くの人がその制度を知ることで、今よりはもっと改善されるはずだと西原さんはおっしゃいます。
今回の講演で日本人が知っている、いや、そうだと思っているアフリカと、事実は少し違うと言うことが強く伝わってきました。そして正にアフリカ熱帯林は様々な問題の縮図なんだと思い知らされた気がしました。

環境保全と聞くと、あれはダメ、これはダメ、人間が悪い、人がダメ等の話は多いのですが、それを解決に導いて行けるのも人間の素晴らしい力であり、人間にしかできない事でもあるんだと、、。つまり、人間は素晴らしい生き物である事が自覚できるお話しでした。
画像は無いのですが、西原さんが撮影したアフリカの子供達の笑顔の写真がとても印象に残りました。今の日本人には絶対できない程の最高の笑顔で、日々の生活にも全く困っている様子など無いことがその笑顔から感じることができました。アフリカは貧しい地域と勘違いしていた自分を発見することができ、一生のうちに一度はアフリカに行ってみたいと思いました。
90分間では全く足りないお話しでしたが、また機会を作りコンゴの今後は続けて行きたいと思いました。

アフリカから帰国した次の日に最高気温10℃程の旭川にお越しいただいた、西原さん、本当にありがとうございました。

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